看護師と同じ看護職の一つに保健師があります。保健師の多くは保健所や市町村保健センターなどの公的な機関に所属し、看護職の立場から地域保健、また地域福祉を行っています。
今回は、そんな保健師と看護師の違いについて解説していきます。
看護師と保健師の違い
看護師と保健師の仕事の一番の違いは、看護師が病気や怪我によって損なわれた健康を取り戻すためのケアをするのに対し、保健師は地域に生活している人々の健康を守るための活動をするということです。
以下に詳しく解説します。
①支援対象者の違い
保健師はケアを求めてくる人だけではなく、問題を抱えていながら地域社会に埋もれてしまっている人を探し出して援助するという役目があります。
例えば病気でも家庭の事情や経済的な理由で病院に行けない人、介護が必要にも関わらず自力で生活しようとしている人、子どもの問題で悩んでいる母親などがいます。
②地域住民の健康管理
また保健師は、健康診査の結果や色々な届け出から、地域で起きている健康問題を明らかにして地域の人々に知らせるという仕事もあります。
広がる活躍の場
保健師は病院や診療所、企業でも活躍しています。
近年は少子高齢化を迎え、社会福祉の分野でも配置が義務付けられている施設もあり、保健師の活躍の場は広がっています。
保健師になるには?
保健師になるためには保健師の国家資格に合格しなければなりません。
看護学校を卒業すると看護師国家試験の受験資格が得られると同時に、保健師学校への入学資格が得られます。また4年課程の看護師養成所には看護師と保健師課程を統合カリキュラムによって一貫教育を行っているところもあり、卒業すると看護師と保健師の国家試験受験資格が得られます。